3月30日 はりま
今シーズン初めての日光浴罠チェック。 本来はもっとはやくてもいいのだが、まだ水を落としているため池も多く、水を落としていると罠も干上がったり、干上がらなくても水深が浅すぎてカメが利用してくれなかったりするのだ。
寺田池はまだ浅くて捕獲はゼロだったが、久しぶりにオッチャンズと会えて楽しかった。
西牧は修理が必要な罠が多く、使えるものだけでアカミミガメ2個体のみの捕獲。オッチャンズが忙しくて修理がもう少しあとになりそう。できることだけやっていく予定。
成井の小池は水を落としていて罠も干上がっており、奥の池は大丈夫だったが、カメは入っていなかった。ここはもともと低密度なのでそういうこともある。
捕獲が少なかったので、とある水路の観察。
水が十分な時はアカガエルの卵塊が見られる。
今シーズンは一つしかないか〜、しかも卵が白っぽくなっていて死卵かもと残念に思っていたら、近くになんとサンショウウオのバナナ状の卵塊があるではないか!!!テンション爆上がりである。
この水路では初見。しっかり育ってほしいものである。
3月29日 大正川
安威川との合流近くのワンドでのルーティン活動。
安威川との合流地点では何故か大型のアカミミガメオスばかりが捕獲された。
3月24日 奈良県
奈良県RDB改訂両生爬虫類分科会の合同現地調査。
奈良県北東部の地域でアカガエル類、ヤマトサンショウウオなどの繁殖状況調査。
3月22日 京都府
淀城壕で日光浴罠の確認と「淀姫」の植え付け作業。
日光浴罠にカメは入っていなかったが、以前に掘り起こして陸に上げていた土の中でアカミミガメの子ガメが越冬していた。
この日はハスマイスターの先生も来てくださって、まずは昨年の淀姫を掘り起こしたが、いまいち貧弱。新たに頂いた種レンコンを植え付けた。
作業中、浅場でチビのタウナギを発見。外来種であるし、在来種に対する影響がないわけではないだろうが、東アジアの外来種は新大陸の外来種ほど競合はしないように感じる。ただしクサガメのように交雑が起こることもあり、それは大変深刻である。
作業後、河津桜がきれいだという近場のスポットへ。とてもきれいだったが人が多過ぎ。
3月17日 奈良県
奈良県RDB改訂両生爬虫類分科会の合同現地調査。
両生類の調査だったので、私たちはほとんど役に立たず、勉強させて頂いた感じ。
奈良県北東部の地域でアカガエル類、ヤマトサンショウウオなどの繁殖状況調査なのだが、長年井上 龍一さんらが調べてこられたところを見て回り、また新しい場所も調査。
ため池もたくさんあったので、カメ的にどうかもこそっとチェックした。
気になったのは以前ヤマトサンショウウオの繁殖が確認されていた場所は水が枯れて産卵が見られず、新たに発見した場所でも死卵が多かったこと。生息数が減少すれば、メスが産卵してもオスと会うタイミングが上手くいかなくて繁殖が成功しないようなのだ。
奈良県のヤマトサンショウウオは他の都道府県に比べてもかなり少ないと聞いた。他よりまだまだ自然は残っている気がするのだが、何故なのだろうか。
3月15~16日 神戸市
第11回淡水ガメ情報交換会。
1日目は「ニホンイシガメをクサガメからどうまもるか」というシンポジウム、2日目は各地からの発表であった。
シンポジウムでは松田悠之介さんの講演に続いて、中池見湿地での事例報告を3人で。中池見ねっとの藤野君が中池見湿地の説明と外来種問題・環境保全、地元でのクサガメ対策について、私が調査のきっかけとクサガメ・雑種防除の合意形成について、加賀山君がクサガメを排除する理由、イシガメに与える潜在的な影響と保全の効果について話した。最後に4人が前に出て、会場からの質問を受け、まとめが行われた。
各地からの発表は学生さんでは小川さんの「印旛沼流域手繰川のクサガメの食性調査」が学部生の研究発表としてしっかりまとめられており、中堅では生態工房さんの八木さんによる「生物多様性に配慮した公園でニホンイシガメを守る〜井の頭池の取り組み〜」がプレゼンの仕方も上手く、NPOの取り組む保全のお手本として興味深く、トリに発表した姫水の竹田さんの「平均気温の上昇が淡水性カメ類の産卵に与える影響」は水族館ならではの管理されたカメ類のデータをまとめた流石の発表であった。また、後藤さんの「続・江戸の町のどこにイシガメがいたのか」は文献調査からのお話で安定の面白さであった。
3月8~9日 千葉県
爬虫両生類情報交換会の南房総での観察会。
1週間前の天気予報では絶望的だったが、1日目は午後4時過ぎまで雨は降らず、その後そこそこの雨は降ったものの翌日はいいお天気になった。
30年以上続けてきた観察会であるが、時には台風か来たり大雨になったこともあるが、幸い2日とも潰れたことはない。
この季節としては寒くはあったが、今回も無事調査をすることができた。
とは言え今回もクサガメ、雑種が1個体ずつ捕獲された。この地を健全なイシガメの生息地にするにはもっと頻繁に調査・防除活動をせねはならないのだが・・・。
今回も地元のカーネーション農家さんの飯田千秋さんにお昼休憩の場所を提供していただき、大変お世話になった。いつも本当に有り難く、いろいろ相談させていただけて頼もしい。
3月2日 はりま
いつもお世話になっている高砂市のため池周辺の水路でカメ調査+アカミミガメ防除。
暖かくなるとアカミミガメは水路から下流の河川やため池に移動するようで、この日を逃すと防除効果が悪くなる。
でも天気予報は雨のちくもり。うーん、濡れてもいいやと大阪を出発。高砂に着いた時はまた雨が残っていたが、幸い30分もしないうちに雨が止んだので水路にイン。
前日から少し気温が上がったせいか、カメは水路からまだ移動していないものの、既に動いていてなかなか捕まらない。2回往復して捕獲。
石積護岸の単調な水路だが、ため池と行き来するのか、小魚やエビ類が結構多い。
アカミミガメをはじめ外来種はできるだけ減らしたいが、今回かなり大きなヌートリアを目撃。ため池周辺では罠掛けもされているので、何とか捕まってほしいものだ。
帰りに鹿島神社近くの「アイスノオミセ」へ。先日参加した「ため池の生きもの研究発表会」の最後に行われたお楽しみ抽選会でアイスクリーム券2枚が当たったのだ。二人で堪能した。
.jpg)
おおきなおいもがドンブラコ |
ヌートリアの食痕 |
.jpg)
アイス美味しかった~ |
3月1日 大正川
大正川のルーティンの活動。
川いい会さんに挨拶をしてから最上流で活動。
昔は「聖域」と言っていたところで、イシガメが残っていたが、2020年の工事の際に根こそぎ(たぶん業者かマニア)に捕獲され、今は見る影もない。今回そこの中州の木々がすっかり伐採されていた。
近くにマンションが建ち、周辺の林もしばらく前に潰されていたが、川の中もスッキリさせようということなのか。
もちろん管理は必要だが、丸坊主である。縄梯子がないと降りられない高い護岸の場所なのだが、こういうところに生きものの楽園を作るという発想はないのだろうなあ。
大正川からの帰り、堺市の百済川に寄ってみた。暖かくなったせいか一気にたくさんのアカミミガメが日光浴をしていた。
|
堺市の百済川 |
|
↑ 川いい会さんと
← タヌキ?の死体
|
堺市の百済川
|
2月24日 天王寺動物園
天王寺動物園にて講演。
「関西のカメ事情~イシガメの楽園はもうないの?~」というタイトルでお話させていただいた
。当日は大阪の街中でも雪が降る寒さ。HPで告知があったとはいえフリのお客さんは少ないだろうし、聴衆は少ないだろうなと思っていたのだが、寒くても動物園を楽しむお客さんは多く、講演にも思いの外多くの方が聞きに来てくださった。
2月22日 大正川
大正川のルーティンの活動。
いつもは仕事でなかなか来られない会員が休みを取れて一緒に活動。クサガメのオスの死体2体を発見。暖かくなったと思ったら急に冷えたりしたせいか。
2月16日 はりま
高砂市の市ノ池公園研修棟にて第7回ため池の生きもの研究発表会。
阿弥陀地区の2つのため池協議会が主催して毎年行っている。
今回は特別講演として我が淡水生態研究所の多田代表が特別講演をした。
研究会には進学校として有名な学校の生物部の学生さん達が参加しているので、研究を仕事としてきた者に対して憧れを持って聞いたと思う。
来賓の皆さん |
多田代表の講演 |
お楽しみ抽選会 |
生物部の学生さんと |
コウノトリ |
寒空の下甲羅干しをするアカミミガメ |
2月15日 福井県
「中池見湿地の今をシェア 子供も大人もみんなで報告会」に参加。
中井先生が基調講演「外来種対策のための法律、作ってみた、変えてみた」をなさった後、ジュニアレンジャーから研究者まで9題の発表があり、私たちの中池見湿地での活動については、加賀山君が報告してくれた。
また続いて行われた「みんなで語ろう『外来種問題の今をシェア』 では、参加者全員で外来種問題のあれこれをざっくばらんに話し合った。中池見の報告会は参加者の距離が近くて、とても楽しい。
2月8日 大正川
大正川の支流の三条川へ。
寒くて三条川も少し凍っていた。氷を割りながらカメ探し。・・・ここで最後にイシガメが確認されたのはもう10年も前だろうか。
昔はそれなりにいたのだが、ここしばらくはアカミミガメしか捕獲したことがない。
そして今回はそのアカミミガメさえ見つけることができなかった。
中州はヌートリアのせいで貧弱・単調になり、周辺の木も伐られて(決して悪いことではないのだが・・・)妙に明るすぎる印象。
時間が大してかからなかったので、大正川ウォッチング。深溜まりにアカミミガメが日光浴している!いくらなんでもこの寒さで甲羅干しとは、何か調子が悪いのか!
久しぶりに支流の防領川も見たが、見たのが損に思える状況。これでも昔はスッポンがいたのに!
甲羅干しをするアカミミガメ |
氷が張っていた |
三条川 |
防領川 |
2月1~2日
外来魚情報交換会に参加。
外来魚と言っても水辺の外来種なら発表は何でも構わないので、例年カメの発表をしている。
今年は「犯人は?イシガメを緩やかに減少させる外来種」。
カメだけ、爬虫両棲類だけの学会や研究会と違って、魚関係の方々が中心なのでアウェイ感がないわけではないのだが、とても勉強にもなりる。
今回は2日の午後にノーバスネットのシンポジウムもあって、すごく聞き応えがあった。
生物多様性を守るため、在来環境を守るための戦いは、政治的な部分も含めてなかなかハードである。
1月26日 奈良県
奈良県のRDBに関わる調査。今回は野迫川村から。そして野迫川村へ。
村役場が開いていたので、ちょっと寄って職員さんにカメ情報を聞くも見たことがないとのこと。
確かに水深が浅くて流れが速く、二面を護岸された川にはカメが生息しているようには見えなかった。
北股川を南下しながら所々でイシガメの生息環境として適しているかどうかを見るのだが、部分的には悪くないところもあるのだが、全体的に考えると難しいかも。
1時間ほど見て回った後、引き返して五條市の方に向かう。恋風トンネルを越えて丹生川を見て回った。
きれいな水の流れで、ここでイシガメが泳いでいたらさぞかし映えるだろうと思うが、生息していたとしてもかなり密度が低いだろうという印象。
恋風トンネルの方向に戻って北上し、夏にため池でかご罠調査をした近くの川を観察
。良さげに見えるところもあるが、川から周辺の田んぼに上がりにくい構造。でもため池にはアカミミガメやクサガメも多かったので、きっといるに違いない。
最後に宇陀市方面に北上。
途中でテンの死体を発見。そしてさらに進んで街に近くなると川はやはり残念な感じに。
1月25日 大正川
大正川でのルーティン調査。
天王寺動物園の西村さんが同行したいとのことで、一緒にカメを探すことに。
最初に川いい会の皆さんと挨拶をして、少し下流へ。
久しぶりに勝手に中州の木を伐るオッチャンの仕業(多分)で水の流れが遮られて、二人で水中に捨てられていた枝や幹を片付けた。
伐りやすいところだけを伐採して(上の方は伐らない)、そのまま枝などを捨てていくので、もういいことがない。
年度末に行政が生き物のことも考えて1m〜1.5m残して伐採して下さるので、それを待って欲しいものである。
1月19日 奈良県
奈良県のRDBに関わる調査。
来シーズンに捕獲調査をするための環境チェックである。来シーズンは奈良県中・南部を中心に行う予定なのだが、地理感もなく、差し当たり地図や航空写真を見て、ここはどうだろうと思うところに行くことにしている。
今回は川上村と吉野町に行ってみたが、驚いたのは川上村の川である。
「自然豊かな川上村」といううたい文句を冠している割には水が澄まず、なんとなく黒っぽくて汚い。オマケにオオカナダモのような水草が繁茂していて、それも黒っぽく汚れている。
なんで?と思っていたが、その謎は後で行った吉野町の川で地元の方にインタビューして解決した。川上村の川と違って私には澄んでいるように見えたが、地元の方は「ダムができてから汚くなって孫には川に入るなと言っている」とのことであった。
また「昔は魚がたくさんいて子供の頃には〇〇や△△を捕って母親に料理してもらった」と地元の方言の魚の名前をたくさん教えてもらった。
昨年の同じ時期、曽爾村や御杖村の川では鱗をきらめかせて泳ぐたくさんの淡水魚を見たが、確かに魚影もほとんどない。
治水利水的には大きな効用があるダムも、その負の影響は同じ程度(あるいはそれ以上に)あるということである。インタビューに答えてくださった方は「便利で安全な生活をさせてもらった代わりに、田舎の良さがなくなってしまった」と寂しい目をされていた。
|
川上村の川 妙に濁っていた。 |
1月18日 京都府
淀城壕での環境整備活動。
この時期はカメは活動期ではないのでもちろん日光浴罠のチェックはなし。
その分雑草取りやアサザ(国内外来種)の根っこの駆除。
それにしても本来のアサザ生息地で保全をしているところではなかなか上手く育たないのに、どうして他ではこうも育ってしまうのだろう?
大正川でもそうだが、淀城壕ではとことん増えている。
シーズンには水面をびっしり覆い、枯れれば水底に堆積してヘドロの原因になる。全く困ったものである。
1月12日 京都府
ぽれぽれらんどにてアカミミガメの堆肥化実験。3回目である。
今回はぽれぽれらんど内に作られた屋根のあるスペースで、まず「子どもさんに外来種をどう教えるか」を西堀が、「アカミミガメの堆肥化についての具体的な方法や注意点」を多田さんがプレゼンした。
その後参加者で冷凍のアカミミガメに傷をつけ(腐敗を防ぐため)、カメと腐葉土や米ぬか、干し草で堆肥の山を作り水をまいた。酸素の供給のためのコルゲート管も置いた。
初参加の学生さんは子どもたちがアカミミガメの死体を平気で傷つけるのに衝撃を受けたようだが、一方でただ面白半分でやっているわけではないことも理解してくれたようだ。
参加した子どもたちは、日ごろからぽれぽれらんどの生き物を捕まえ、育った野菜を抜き取り、林の中を走り回っているのだ。そうやって自然が身近にあるとおのずと身につくものがあるのだ。
当日は中川宗孝さんがスッポンなどのカメ類を持ち込んで子どもたちに見せてくださったり、冬眠中のアメリカザリガニを触ったりできるコーナー、パターゴルフのコーナーもあって、件の子どもたちは思いっきり遊べたようである。
最後は焼き餅や巻き寿司をいただきながら談笑して解散。
1月10日 はりま
東播磨での調査はじめ。
水が落とされた皿池の溜まりと水路でカメ探し
。この冬はレンコン掘りができず、水を落とすのが12月を過ぎていたので、溜まりや水路にカメはいないだろうと思って、一応のチェックのつもりだった。
しかし水路にまでは入っていなかったものの、溜まりではクサガメ12個体とアカミミガメ8個体を捕獲した。
少なくとも12月1日に確認した時にはいなかったので、その後溜まりに移動してきたことが分かる。12月上旬はさほど寒くなかったとは言え、結構動くものだと思う。
捕獲したクサガメは8個体がオス、4個体がメスだったが、オスには全てツリガネムシが寄生し、メスは全て綺麗なものだった。
クサガメではキッコウジュズモやヌマエラビルの寄生も断然オスが多い。
メスよりオスの方がよく動くので、寄生されにくい気もするのだが、一体どのような理由でオスにより寄生しやすいのであろうか?
謎はもう一つ。ザリガニ捕獲イベントのために11月に皿池に設置していた遮光罠が一つなくなっていたのだが、それがアラ不思議、戻ってきていた。
以前、地元のアカミミガメ捕獲用のかご罠も盗まれたことがあったので、きっと誰かが盗っていったに違いないと水利組合の方もおっしゃっていたのだが・・・。
安いカニマンションに100円均一で買った遮光シートを被せただけの罠なので、盗ったはいいが不要だったのだろうか?にしても、私たちが設置していた場所のごく近くに、ちゃんとロープもかけて戻してくれていたのは律儀なものである。
♂はツリガネムシだらけ |
|
モクズガニもツリガネムシだらけ |
氷が張っていた。 |
計測 |
戻ってきた遮光罠 |
1月5日 大正川
大正川にて調査はじめ。
同じ場所で活動する川いい会の面々や大正川を愛するガサガサ仲間などが集結して新年の挨拶を交わした。
穏やかなお天気で、みんな和やかに一杯(運転する者とオコチャマはNG)
この一年も怪我なくしっかり活動したいものである。
|